扁桃体Intercalted clusters (ITC) の亜核ITCdm/ITCvm (背側核/腹側核)が真逆の機能を持つこと、相互抑制の回路モチーフを持つこと、異なる投射先を協調制御していること等を報告した自身の最近の仕事について、萩原が裏話も交えながら紹介。
Show notes:
- Intercalated amygdala clusters orchestrate a switch in fear state
- 神経科学トピックス…日本語の解説記事@神経科学学会
- Andreas Lüthiラボ
- Lüthiラボからの扁桃体回路レビュー(2015年)
- CA2論文: 海馬CA2は2013年以前はそこまで注目されてこなかったが、利根川ラボのKoharaさんが遺伝子改変動物を用いてCA2の結合パターンを報告して以降、次々とその機能を報告する論文が出た(1, 2)
- S誌の新規領域系 Nucleus Incertus, Zona Inserta, Dorsal Tenia Tecta
- Mutual Inhibitionの論文↓
- 2017年のLüthiラボからのCeAの仕事
- 小山さんのMutual Inhibitionに関する総説
- Cognitive functionのモデルとしても例がある
- Pareの仕事↓
- オピオイド受容体の発現を利用した毒素によってITCを破壊した仕事
- ITCがBLA->CeAのImpulseを制御しているというgating仮説
- スライスでExtinctionに相関した可塑性を見つけた天野さんの仕事
- 奇跡的にITCからvivoで電気記録を行なった仕事
- Fear Conditioning(恐怖学習)の用語補足↓
- CS: conditioned stimulus. 連合学習前にはneutralであることが求められる。主に音(tone)が使われる。
- US: unconditioned stimulus. 学習を必要とせずイヤな(aversive)刺激、例えば電気ショック(foot shock)、苦味、天敵の匂い、など
- Extinction、(恐怖)消去。CSがもう恐怖を予測しないという新たな上塗り学習のこと。CSがもう恐怖を予測しないという新たな上塗り学習のこと。オリジナルの連合学習記憶が消えるわけではない。
- Relapse: 消去された恐怖記憶が復活してしまうこと。実験パラダイムとしてはspontaneous recovery, reinstatement等いろいろある。この総説(Maren and Holmes)のFig1がよくまとまっている。
- PTSD: Post-Traumatic Stress Disorder. USベテランの15%弱、またUS国民の11人に1人が生涯で一度は発症するとされる。
- シンガーソングライターJoseph LeDoux: LeDoux2000 に集約される一連の仕事を行なった分野の創始者。最近は本を書いたり、バンド活動をメインにしている…?
- 2005年のScience. Rumpel, LeDoux, Zador, Malinow
- Schnitzer研とのコラボ論文
- 初期のMiniscopeの論文 Ghosh et al., Ziv et al.
- Josh JohansenのEyelid刺激の仕事
- CUBICによる透明化と抗体染色。ここでは初代プロトコルを少し改変して使用。
- FoxP2-Cre line by Palmiterラボ。FoxP2は転写因子の一種。
- Plamiterは近年CGRPを手がかりにlPB(lateral parabracial)でヒット連発(1, 2, 3)。おそらく80歳近いはずだが、40年以上HHMIをキープし続けている。
- Andrew Holmes: 薬理遺伝学(KORD/DREADD)コラボ相手。NIHのPrinciple Investigator
- 2017年のAmygdala Gordon Conference
- Ingrid Ehrlich: スライス実験コラボ相手。
- Kay TyeのNature. BLA to CeM/NAcの解析。
- BLA to PL/ILのキャラクタライズ Senn et al. 2014 Neuron
- soCoChR, 発現が細胞体に優位に出るように改変されたCoChR. CoChRはphoto currentが大きい。From Boyden Lab
- Fiber Photometry: バルクでCaシグナルを測る技術. Single-cellの解像度はないが、感度が高く、何より簡単。
- Rebuttal,論文リバイズの際にreviewerコメントにpoint-by-pointで答える反証レター。
- AMPA/NMDA ratio: 興奮性(Glutermatergic)シナプスの長期増強を反映する
- Opponent-process theory of motivation. Solomon and Corbit 1974
- 利根川研のReward engramとextinctionの共通性に関する論文。
- GRABセンサー: Genetically-encoded neuromodulation sensorの一つ。Yulong Li Lab。
Editorial notes:
- 論文、発見自体の面白さもそうですが、Extended Data含め、萩原さんのFigへのこだわりや実験の上手さがダダ洩れな感じが非常に良かったです。改めておめです~(宮脇)
- 気にしないようにしてますが、自分の仕事を語るのはやっぱりちょっと気恥ずかしいですね。そういえば、GRCは学会で見聞きしたことを口外してはならんという誓約書にサインするはずですが、今や誰も守ってないからまあいっか。あはは。 (萩原)