前回の補足も兼ねて、Pseudo-typed Rabies Virusの原理と、その開発の歴史、今後の展望について萩原がサクッと解説。(5/22収録)
Show note
- G-deleted rabies virus の開発・応用の第一人者であるEd CallawayとLiqun Luoによるレビュー論文。今回の企画は主にこの総説に沿って話しています。
- ミルウォーキープロトコル(wiki) 。n=1と言ってますが、その後改良版が試され、これまで6人助かってるようです(n~50)。獣医学会のコラムが興味深い:狂犬病を発病した患者の最初の回復例
- 小坂田さん…Callaway研でRabiesのvariant作成論文を書かれて、世界中でリソースが使われて共同研究をされている。現・名古屋大。
- AnteroにトブHSVを使ったAndermannの仕事。Hypothal->PVT->BLA->Insular経路の証明。HSV(H129ΔTK)自体はDJAが開発。
- 最初のG-deleted Rabies開発論文。Wickersham/Callaway. 2007a 2007b
- プレの中の一部の細胞種を標識する技術の開発論文。MPIフロリダ・谷口研。
- 宮道先生:LiqunラボにてAAVを用いたTVA・Gタンパク発現によるスターター細胞の限局、およびTVAの点変異によるその改良などを行った、pseudo-typed rabies virusによるサーキットトレーシングのパイオニア。帰国後もpseudo typed rabiesを用いた仕事を展開。
- SADの細胞毒性に対応するために最恐CVS株を使ったコロンビア大の仕事。低毒性に加えてCVSのGタンパクはシナプス間のトビがよさそうという利点も。
- Callawayによる初期の総説。
- 細胞毒性を減らすためにLタンパクも欠損させたSAD株。MIT・Wickershamラボ。Lはpolymeraseをコードしており、おそらくreplicationがほぼ0になることがtoxicity低下に効いていると考えられるが、そのため発現量が低く、基本的にはrecombinaseの発現向け。またLは長く(~6k)、AAVに乗らない。
- Self inactivation(SiR)によって毒性回避するストラテジー。PESTをつけることで、細胞のタンパク分解作用を利用してvirusを分解させる。Tripodiラボ。
- WickershamによるSiRへの疑義プレプリント。
- 上記プレプリントに対するTripodiラボからの更なる反論プレプリント。その後どうなったんだろう。
Editorial note
- “生綿”で首を絞める…とは…? (萩原)
- SiR, TDEのラッパーを連想します (宮脇)