マックスプランクフロリダの安田涼平さん(@Ryohei_Neuro)をゲストに、1分子イメージングから1スパイン・分子活性のイメージングへと分野を変えていった時に考えていたこと、Karel Svobodaのラボでポスドク時代に学んだこと、その後の独立、マネジメント哲学、最近の研究とこれからの新しい展開などについて伺いました(6/5収録)
Show Notes:
- 安田さんラボHP
- 安田さんブログ
- 安田さんHP記事 アメリカでラボを持ちたい!
- 安田さん過去インタビュー コールドスプリングハーバー時代
- マックスプランクフロリダ (Max Planck Institute Florida Institute for Neuroscience)
- ATP合成酵素が回転するところをアクチンつけて観た仕事
- 東工大(当時)の野地さん:現在東大で主催しているラボ
- 木下研HP(早稲田へ)
- 故・木下一彦先生のエッセイ
- たまたまアクチンを操作するという仕事をしていた 1 2
- カレル:Karel Svobodaのこと。安田さんのポスドク時代のボスであり、萩原の現・ボス。
- Karelが見つけたキネシンのステップ
- 120°ずつ回転、仕事効率ほぼ100%
- 1分子イメージング、当時の業界の様子 (PDF)
- NIH-Imageっていうのを作っててソースコードを公開していた(現・ImageJ)
- Winfried Denk (カレルのベル研での直接のメンターはおそらくTank。Denkはおそらく横にいて顕微鏡を提供した?Denkは最初に2光子顕微鏡作った人)
- Bellラボの神経科学への貢献
- In vivoの2 photonをやった仕事の例:1 2 3
- Rafael Yusteラボ
- Yusteの当時の仕事
- Fritjof Helmchenラボ
- Helmchenの当時の仕事
- KarelのラボからPIになった人…の参考図(NeuroTree)
- 66時間/週
- ムーミンプーの(恐怖の)手紙 (なおメール中のFlorianとは現ハーバードMCBの半裸おじさん)
- カレルがGCaMPに着手したタイミング
- 永井さんのつくったのはpericam
- 初代GCaMPはNakai, Ohkura,and Imoto, 2001
- GCaMP2はこの論文
- 佐藤 隆さん@MUSC (萩原は学部時代に佐藤さんの実験@Tübingenを手伝っていた)
- によるBulk Loadingの最初の仕事
- OGB1 bulk loadingはKonnerth研で確立され(Stosiek et al, 2003)、Ohki et al., 2005でバイオロジーに繋がり、分野のスタンダードテクニックに。AMエステル化したケミカルダイを脳実質に注入、細胞に取り込まれるとAMが切れて蛍光が出るというメカニズムで多細胞からの細胞内カルシウムを測れる。ピペット詰まったり、中心で細胞が死んだり、うまく広がらなかったりと、圧力・時間等のパラメタ最適化に結構苦労する。
- ハエでは動いていた
- 自分(萩原)は当時vivoでOGB1を使っていた
- GCaMP6の論文 (現状カレルの論文の中で最も引用される論文となった)
- Joshua Trachtenbergラボ
- Trachtenbergの仕事
- Anthony Holtmaatの仕事 その1 その2
- KarelはSharp Electrodeでsingle cellにdyeを入れていた
- ソフトウェア(ScanImage)のオープンソース化
- GENIE(Genetically Encoded Neuronal Indicators and Effectors)でオープンに
- 顕微鏡に関する投稿:ポスドクを終えてDukeで独立する辺りは2005年~
- Karelラボの2番目のプロジェクト(Rasの分子活性)
- Christopher Harveyも一緒にやった
- Haining Zhongラボ
- 独立した後のCaMK2の仕事
- 林康紀さん
- が当時やってた(Camuiα)
- FLIM: ライフタイムイメージングのこと(PDF)
- 谷口さん (テニュアとれなくてオハイオへというfake newsをみたが、MPIはディレクタ以外はそもそもテニュア出ない)
- ブログを読んでる感じだと論文は通るし
- グラントは当たり続けるし
- 村越さん(ラボ)
- の仕事
- Karelのラボでの最初のカルシウムイメージングの仕事
- 安田さんのトークで最後に出てくる絵 (by R, Iyenger)
- IyengerラボHP
- Todd SacktorとかがやったPKMζとか
- PKMζと記憶の総説 (が、後に完全否定論文1・2とか出されたり、更なるカウンターが出たり…Morrisがことの顛末をまとめたコメンタリ書いている)
- 蛍光タンパク自体を作ったり
- AAVやIn Utero electroporationでGene Editingをやったり(SLENDR)
- in vivoでのイメージングの仕事
- optogenetic inhibitor (paAIP2) の仕事
- ↑関連でaddgeneで配布されてるプラスミド
- 分子活性の長さはタンパク質によって違う、のレビュー
- 三國さん
- 西山さん
- 河西研の松崎さんがやってた
- EMで計ったのと蛍光顕微鏡で見た感じ(は結構違う?)
- 小さいスパインは可塑性が大きいけインパクトが小さい…の議論、レビュー 1 2
- MPFIのマシンショップ
- Michael Ehlers
- ファイザーに移った理由および学び
- Scrippsがとなりにある
- Florida Atlantic Universityとの共同プログラム
- 最初の学生は3.5年で学位を取得
- 10年かかった次の仕事
- Fitzpatrickラボ
- のSpineのinput見た仕事:その1 その2 (バックプロパゲーションでデータはめちゃくちゃなので、Glutamateセンサーとかでやり直さないと何も言えないでしょうね…萩)
- Junior PIの2 roundめ:マックスプランクのグループリーダーは5年後に1回更新し、そのあと2年+2年の2回の更新を経てMax9年までいられる(EMBLがはじめて、MPIが真似した)。最近その交代があった。
- マックスプランクのシステムについての記事
- 間接経費:アメリカの普通の大学とかだと30-50%, 有名大学だと70%だったり。場所によって違うらしい?
- ラボのプロダクティビティは700kくらいでサチるの記事
- 結局一番楽しかったタイミングはF1-ATPaseの回転が見えた時…の記事
- Gordon (Research) Conference (Dendrites: Molecules, Structure and Function)
- UCLAの学会:UCLA Learning and Memory Symposium
- Woods Hall (Marine Biology Laboratory)でのトレーニングコース
- について書かれた記事一覧
- 研究はコミュニティエフォート、の記事
- 安田さんのライフタイムイメージングの会社
- 数日前にカンデルがリタイアを発表 (92歳)
- 大学院生の給料(500-600万円)
- でもインフレでそれじゃ暮らせねぇ!みたいなNature記事
- 日本も次世代ほにゃららで博士はだいぶマシになっている?
Editorial Notes:
- 実は当初MPFIのFitzpatrickラボで博士をやる予定でした。いろいろあってvisionのdevelopmentから分野を変えたのは結果的にはよかったのではないかな〜と。安田さんをはじめ、成功してる研究者には楽観的な人が多いような気がしてる今日この頃、辛気臭くない感じで生きていきたいなと思ってます (萩原)
- 研究所のDirectorという雲の上の存在でありながら、我々のようなポスドクにフランクに接してくださってくださったこと、そしてpoliticalな感じが全然しなくて技術開発・現象探求にフォーカスしてらっしゃる様子が印象的でした(宮脇)
- これからを担う若い研究者のお二人とお話できて楽しい時間を過ごしました!ぜひミーティングなどでまたお会いしたいと思いました(安田)